コーチングを受ける人は、最初から明確なゴールを持っているものなのか?

先週、トランセンド日本校の紹介ウェビナーを開催しました。 ウェビナーでは「コーチングとは何か?」を中心に対話を重ね、多くの印象的なご質問をいただきました。

今後、それらの問いを一つひとつ取り上げ、掘り下げて共有していきたいと思います。 今回の内容は、ウェビナーにご参加いただけなかった方にとっても、コーチング理解のヒントになるかもしれません。

コーチングを受ける人は、最初から明確なゴールを持っているものなのか?

コーチングを受ける人も、まだ受けたことのない人も、私たちは日常的にさまざまな「ゴールのような思い」を抱いています。

  • こうなればいいのに
  • この問題がなくなればいいのに
  • この人(このチーム)は、こうあってほしい
  • 自分はこうなりたい

「もっと社会に貢献したい」という少し抽象的で夢のあるものから、 「3キロ痩せたい」「来年までにこのポジションに昇格したい」といった、具体的で現実的なものまで、その形は実にさまざまです。

ただし、その多くは、必ずしも私たちの成長につながる「有効なゴール」とは限りません。

コーチングにおいて、コーチがゴールを設定することはありません。 ゴールを決めるのはクライアント自身であり、コーチはそのプロセスに伴走する存在です。

そのため、 「これは本当のゴールではなかった」と気づくことも、 「本当に大切なことは別にあった」と発見することも、すべてクライアント側で起こります。

コーチングとは、そうした本質的な気づき(インサイト)に到達するための有効な手段であり、 対話を通じて思考を広げていくプロセスなのです。

「1オンス(約28グラム)の金を掘り当てるためには、2トンもの土を取り除かなければならない。 ゴールもゴールド(金)も、土の下に埋もれている。 ゴール発掘が難しい理由の一つは、私たちがゴールそのものよりも、 その上にかぶさっている土に意識を向けすぎているからだ」

あるリーダーのケース

(A composite case)

※以下は、これまでのコーチング実践で見られた複数のケースから共通する要素を抽出し、構成したケースです。特定の個人や組織を示すものではありません。

Aさんは、社内でもかなりシニアなポジションにいる優秀なリーダーです。 ヨーロッパに本社を持つグローバル企業で、アジア地域の大きな支社に長年勤務し、本社勤務の経験もあります。 本社からも支社からも信頼され、尊敬される存在でした。

Aさんは自身のキャリアに満足し、誇りを持っていました。

そんなAさんが、新たな海外拠点――まだ規模も小さく、未開拓な国の支社立ち上げメンバーとして抜擢されます。 新しい環境、新しい国、そして新しい上司。すべてが初めての挑戦です。

新しい上司は、本社から赴任してきたばかりの優秀な若手リーダーで、この拠点のトップ。 Aさんの豊富な経験や、APAC地域における横のつながり、人脈に大きな期待を寄せている様子でした。

Aさんが当初掲げていたゴールは、 「祖国に戻るか、別の部署へ異動すること」。
慣れ親しんだ領域を離れ、新しい分野に挑戦したいという強い思いがありました。

努力を重ね、コーチングセッションを続ける中で、Aさんは次第に気づいていきます。 問題の中核にあるのは、現在の上司との関係性であることを。

その問題は最初から存在していましたが、 「自分の成長には関係ない 」と無意識に切り離していたのです。.

努力を重ね、コーチングセッションを続ける中で、Aさんは次第に気づいていきます。 問題の中核にあるのは、現在の上司との関係性であることを。

その問題は最初から存在していましたが、 「自分の成長には関係ない」 escape と無意識に切り離していたのです。

やがてAさんは、自分が問題から逃げようとしていたことに気づきます。 そして、逃げるのではなく「上司との信頼関係に向き合う」決意をします。

「なぜなら、私は上司から信頼されていないんです」

そう言って、Aさんはとても辛そうに理由を挙げます。

  • これだけ働いているのに、タスクは増える一方

  • 自分の責任範囲外のことまで意見を求められる

  • 組織や人事の問題があると、必ず自分が呼ばれる

  • 面倒な案件は、いつも自分の役割になる

  • 「嫌われているとしか思えない」

「では、信頼を高めるために、
今どんな行動をしていますか?」

Aさんの答えはこうでした。

  • 頼まれたことは全力でやっている

  • ただし、コミュニケーションは最小限

  • 問題は基本的に解決してから報告

  • 1on1以外の会話はほとんどなし

  • ランチの誘いはほぼ断る

  • 挨拶も好きではない

  • どちらかといえば、上司を避けている

そして、Aさんは口を閉ざします。

長い沈黙の後、Aさんが口にした言葉。

「上司が私を信頼していないのではなく、 とても信頼してくれている上司を、
私が信頼していなかったのではないかと思い始めました」

Up until this moment, Sam’s attention had been fixed on the dirt—the assumptions, emotions, and past experiences covering the real goal.

For the first time, Sam creates enough space to view the situation from the manager’s perspective.

In that moment, a new goal emerges.

Sam now wants to help grow this new organization into one that can stand shoulder to shoulder with other APAC entities—and begins asking:
What can I contribute to make that possible?

The “dirt,” more often than not, is made up of past experiences, deeply held assumptions, and the emotions attached to them.

Coaching as a Process

Coaching is not about providing answers.
It is a process.

The coach supports the client as they deepen self-understanding and build their own path toward meaningful change.

Sam’s goal can only be found by Sam.
And the reason that goal is gold is because only Sam can recognize its true value.

Is the goal you’re chasing the one you truly desire?

 

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